おすすめETFを紹介~2020年 カテゴリー別 おすすめ4銘柄~

公開日 2019年1月20日
更新日 2020年6月13日
分析のイメージ

この記事では国内外株式と国内外債券の4つのカテゴリーごとでおすすめのETFを紹介します。
流行り廃りの無い銘柄を選んでいますので、長期投資に向くオーソドックスなものになります。

選び方はごく単純な方法であるため自分でも選ぶことは可能ですが、自分できっちり選ぼうとすると意外に手間だったりします。
そこで、本記事では丁寧にデータを集めて調べて見えてきたおすすめETFを紹介・解説します。

もし、過去の記事をご存じでその当時の内容を確認したい方は下記をご覧ください。pdfファイルで保存しています。
2019年 おすすめETF

結論 カテゴリー別おすすめETF

先に結論を書きます。
解説等不要の方はここだけ読んでください。

おすすめは下記4銘柄です。
カテゴリーは国内株式と国内債券と外国株式と外国債券です。

国内株式
ブラックロック・ジャパン iシェアーズ・コア TOPIX ETF
国内債券
iシェアーズ・コア 日本国債 ETF
外国株式
MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信
外国債券
NEXT FUNDS 外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信

おすすめは以上になりますが、私が実際に買うとなったら外国株式のETFは買いません
詳しい解説は下記に記載しますが、外国株式ETFを買うなら非上場投資信託の方がよいからです。

リスクとリターンの相関図

もし、ETFを購入する場合は、リスクを分散する目的でそれぞれのカテゴリーに分散投資することをおすすめします。
比率はリスクをどれぐらいの取れるかで、各自決めて欲しいです。
一般的な考え方として、投資期間を長く取れるならリスクを取ってもいいでしょう。

選択の流れ

次の3STEPでおすすめを決めています。

  1. ベンチマークの選定
  2. 信託報酬が少ない順でランキング
  3. 平均売買代金(出来高)のチェック

ETFはベンチマーク連動の運用が基本ですので、ベンチマークの選択が肝になります。
ベンチマークは分散が効くか、扱っているETFが多いかを考えて選んでいます。

そして、同じものをベンチマークとするETFの中で信託報酬が少ないものを選びます。
信託報酬はいわゆる手数料です。ベンチマークが同じなら運用も同じなので手数料は低い方が良いためです。

最後に平均売買代金を確認します。平均売買代金とは出来高を金額換算したもので一日にどれ位の金額の取引があったかを示します。
そのため、少なすぎると売買が思ったように出来ないことがありえるので、平均売買代金が少なくないかを確認します。

騰落率(リターン)も一応確認しています。ただ、ベンチマークと連動ですので優劣は基本的にありません。他と差が無いことを確認します。
また、騰落率は分配金を含めた基準価額の増減を示すので、分配金利回りは見る必要がありません。

それでは上記の流れに沿って選んだETFを詳しく紹介します。
ちなみに今までで出てきた単語が分からない場合は、まずこちらのページを読むことをおすすめします。
この記事では単語の説明は極力割愛させていただきます。

国内株式

ブラックロック・ジャパン iシェアーズ・コア TOPIX ETF

ベンチマーク:TOPIX(配当抜き)
信託報酬:0.06%(税抜)同ベンチマークETFの中で1位
騰落率(3年):6.30% 同ベンチマークETFの中で5位
平均売買代金(直近90日):36,179万円 問題なし
最低買付金額:1652円
管理会社サイト:ブラックロック・ジャパン iシェアーズ・コア TOPIX ETF

2020年6月5日現在

TOPIX連動のETF8銘柄の中で信託報酬が最も小さいETFになります。
これはどんなひとにもおすすめ出来るETFです。

ベンチマークはTOPIX

国内株式のインデックスで有名所は日経平均株価(日経225)やTOPIX(東証株価指数)がありますが、私はTOPIXを選択しています。
TOPIXを選択する理由は、分散が効きやすいからです。

日経平均株価の計算は基本的に株価の平均であり、構成は225銘柄と少ないです。そのため株価の大きなものの影響を強く受けます
下記グラフをご覧ください。

日経平均株価とTOPIXの構成比率比較

左の円グラフが日経平均株価の構成比率を示したもので、上位10銘柄で33%、上位30位までだと半分以上 です。
その中でもファーストリテイリングの株価が約50000円と非常に大きく、構成比率はファーストリテイリングが約10%も占めます。

ファーストリテイリング1社の株価の動きがかなり影響します。
株価は時価総額とは関係がなく、時価総額国内トップのトヨタでも株価が7000円ほどなので構成比率は1%ちょっとしかありません。

一方TOPIXは時価総額で指数化しており、銘柄も2000近くあります。
右の円グラフを見てもらえばわかる通り、日経平均株価と比較して上位30位の占める割合がTOPIXは少ないことが分かります。

トヨタは時価総額があまりに大きく、構成比率約4%を占めますが、殆どは2%以下ばかりがずらっと並びます。
よって、TOPIXの方が分散が効きやすいのでおすすめです。

補足として、TOPIXであろうと日経平均株価てあろうと連動は配当金無しの指数と信託報酬を控除した分配金抜きの基準価額との連動になります。
配当金が入っていないため、配当込みの成績も確認する必要がありますので、騰落率も確認しています。

信託報酬が同ベンチマークETFの中で最安

コード名称管理会社信託報酬騰落率
1年3年5年
1475iシェアーズ・コア TOPIX ETFブラックロック・ジャパン(13294)0.060%9.65%6.30%-
2557SMDAM トピックス上場投信三井住友DSアセットマネジメント株式会社(15624)0.074%---
2524NZAM 上場投信 TOPIX農林中金全共連アセットマネジメント(15954)0.075%9.62%--
1348MAXIS トピックス上場投信三菱UFJ国際投信(13444)0.078%9.66%6.31%6.55%
1473One ETF トピックスアセットマネジメントOne(13694)0.078%9.70%6.36%-
1308上場インデックスファンドTOPIX日興アセットマネジメント(13084)0.088%9.66%6.31%6.56%
1305ダイワ上場投信-トピックス大和証券投資信託委託(13054)0.110%9.63%6.27%6.42%
1306TOPIX連動型上場投資信託野村アセットマネジメント(13064)0.110%9.68%6.35%6.53%
銘柄一覧 | 日本取引所グループのデータによって作成 騰落率のみ楽天証券サイトのデータによって作成(2020年6月5日)

上の表を見て分かる通り、信託報酬が最も小さいものを選んでいます。
冒頭でも説明しましたが、信託報酬とは運用手数料のことであるため低い方が優れていると言えます。

正直な所、信託報酬が最大でも0.11%ですので、そこまで優劣を気にする必要はありません。
ただ、優劣をつけるには信託報酬ぐらいしか差が無かったため、信託報酬の小さいものを選んでいます。

過去の記事を覚えている方には補足しますが、2019年に確認した時は、信託報酬が低いものほど運用成績が良かったのですが、今回はその傾向が見られません。
そのため、信託報酬が低く運用成績が良いものは無くなりましたが、運用成績はあくまでベンチマークとの連動なので大きく変な数値が出ていない限り気にする必要はありません。

平均売買代金も多く問題なし

最後に平均売買代金を確認します。設定日が2015年10月20日と比較的若いですが、総資産が3000億円越えであり、平均売買代金も十分あります。
取引で売買出来なくて困ることは無いでしょう。

よって、国内株式のETFを買うならブラックロック・ジャパン iシェアーズ・コア TOPIX ETFをおすすめします。

国内債券

iシェアーズ・コア 日本国債 ETF

ベンチマーク:FTSE日本国債インデックス
信託報酬:0.06%(税抜)非上場投資信託は0.12%
騰落率(3年):-% 設定日2020/02/25
平均売買代金(直近90日):484万円 少ない
最低買付金額:2,736円
管理会社サイト:iシェアーズ・コア 日本国債 ETF

2020年6月5日現在

国内債券は上記とNEXT FUNDS 国内債券・NOMURA-BPI総合連動型上場投信の2つしかありません。
決め手は平均売買代金や資産の多さで、これから大きくなるのではないかと考えられるからです。

ベンチマークはNOMURA-BPI総合かFTSE日本国債インデックス

国内債券のインデックスで有名なものはNOMURA-BPI総合でしょう。
非上場投資信託もほとんどがこれであり、ETFも去年まではNOMURA-BPI総合しかありませんでした。

しかし、今年からFTSE日本国債インデックスをベンチマークとするETFが設定されました。
ただ、私の勉強不足もあり優劣が付けれておらず、ベンチマークでは判断出来ませんでした。

投資信託と比較して信託報酬は安い

国内債券ETFが2つしかなく、しかもベンチマークも異なるのでETFでの比較はしていません。
参考までに非上場投資信託と比較すると、最も安い投資信託で税抜0.12%であるので、上記のETFの方が信託報酬は安いです。

投資信託と異なりETFは購入手数料が発生するので、注意は必要ですが、ある程度まとめて買えるならETFの方が有利に働くでしょう。

平均売買代金がすこし高い

このETFは2020年2月25日に設定されながらも、NEXT FUNDS 国内債券・NOMURA-BPI総合連動型上場投信の平均売買代金262万円より高いです。
総資産もiシェアーズ・コア 日本国債 ETFの方が6倍ほど多く、86.7億円です。ここが決め手となりました。

しかし、他のETFと比較しても少ないことに変わりはありません。
買いたいときに買えない、売りたいときに売れないことになりかねません。直近で売却する可能性がある方は、非上場の投資信託をおすすめします。

外国株式

MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信

ベンチマーク:MSCI-KOKUSAI指数
信託報酬:0.15%(税抜)同ベンチマークETF中で1位 しかし非上場投資信託の方が安い
騰落率(1年):11.32% 同ベンチマークETFの中で3位
平均売買代金(90日):3,370万円 同ベンチマークETF中で1位
最低買付金額:24,730円
管理会社サイト:MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信

2020年6月5日現在

為替ヘッジありを抜いたMSCI KOKUSAIをベンチマークとするETF4銘柄の中で、最も信託報酬の安いものです。
為替ヘッジありにすると、ヘッジコストという余計なコストが発生するので、為替ヘッジなしが良いでしょう。

ベンチマークはMSCI KOKUSAI Index

ベンチマークにMSCI KOKUSAIを選んだ理由は先進国22ヶ国に分散投資出来ることと、メジャーなインデックスで、様々なETFのベンチマークに採用されているからです。
インデックスは他にも新興国の対象のものやアメリカだけのものもあります。

新興国は市場規模が小さく基盤も信用できないので、先進国優先で良いでしょう。

アメリカ単独は分散が効きにくくなり、トランプ大統領の影響を受けやすいので、避ける方が無難です。
ただ、アメリカの市場は大きく、他のインデックスにしてもどのみちアメリカの影響を大きく受けます。

信託報酬が同ベンチマークで最安

コード名称管理会社信託報酬騰落率
1年3年5年
1550MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信三菱UFJ国際投信(13444)0.150%11.32%19.86%20.65%
2513NEXT FUNDS 外国株式・MSCI‐KOKUSAI指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信野村アセットマネジメント(13064)0.170%11.85%--
2514NEXT FUNDS 外国株式・MSCI‐KOKUSAI指数(為替ヘッジあり)連動型上場投信野村アセットマネジメント(13064)0.170%9.65%--
1657iシェアーズ・コア MSCI 先進国株(除く日本)ETFブラックロック・ジャパン(13294)0.190%11.19%--
1680上場インデックスファンド海外先進国株式(MSCI-KOKUSAI)日興アセットマネジメント(13084)0.240%11.60%19.24%20.66%
銘柄一覧 | 日本取引所グループのデータによって作成 騰落率のみ楽天証券サイトのデータによって作成(2020年6月5日)

信託報酬は同じベンチマークをするETFの中で最安のものを選んでいます。去年と比較すると信託報酬が下がっています。
何回も書きましたが、信託報酬は手数料ですので少ない方が最終的に利益も大きくなります。

過去の記事では信託報酬と運用成績に関連があると書きましたが、今回見ると関係性が無くなりました。
ただ、運用成績は基本的にベンチマーク連動ですので気にする必要はありません。信託報酬が安いものをおすすめします。

平均売買代金も他と比べるとある

同じベンチマークのETFの中では平均売買代金がもっとも多いです。そして総資産が96.6億円と多い方です。
ただ、国内株式ETFと比較すると少ないことは確かで、買いたいときに買えない、売りたいときに売れないといった状況が発生するかもしれません。

非上場の投資信託の方が良い

理由は分かっていないですが、ETFより非上場の投資信託の方が信託報酬が安いものが結構存在します。
例えば、「ニッセイ外国株式インデックスファンド」なら信託報酬が税抜0.109%でETFより安いのです。

外国株式ETFは外国株式を組み入れるのではなく、他のETF等を組み入れているので、コストが2重にかかっているからかもしれません。
ETFに拘りが無ければ非上場投資信託を購入する方が良いでしょう。

外国債券

NEXT FUNDS 外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信

ベンチマーク:FTSE 世界国債インデックス
信託報酬:0.12%(税抜)同ベンチマークETFの中で1位
騰落率(1年):7.77% 同ベンチマークETFの中で1位
平均売買代金(90日):1,685万円 少ない
最低買付金額:10,100円
管理会社サイト:NEXT FUNDS 外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信

2020年6月5日現在

ベンチマークがFTSE 世界国債インデックスの中で、最も信託報酬が安いものを選んでいます。

ベンチマークはFTSE 世界国債インデックス

FTSE 世界国債インデックスは以前シティ世界国債インデックスと言われており、基盤がしっかりしている先進国の債券が対象です。
外国株式でも説明した通り、先進国全般に分散するのが、分散によるリスク低減が出来て良いでしょう。

信託報酬も最安

コード名称管理会社信託報酬騰落率
1年3年5年
2511NEXT FUNDS 外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信野村アセットマネジメント(13064)0.12%7.77%--
2512NEXT FUNDS 外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジあり)連動型上場投信野村アセットマネジメント(13064)0.12%5.45%--
1677上場インデックスファンド海外債券(FTSE WGBI)毎月分配型日興アセットマネジメント(13084)0.25%7.36%9.01%0.48%
銘柄一覧 | 日本取引所グループのデータによって作成 騰落率のみ楽天証券サイトのデータによって作成(2020年6月5日)

対象が実質2銘柄しかないのですが、信託報酬が安い方を選んでいます。
騰落率(リターン)も大きい方になります。

平均売買代金は少なめ

設定日が2017年12月11日とまだ2年しか経っていないこともあって、総資産が55.4億円と少なくて平均売買代金も少なめです。
長期保有するなら問題ないですが、短期売買するなら売りたいときに売れないといった状況に遭遇するかもしれません。

一応おすすめを書きましたが、外国債券への投資はあまりおすすめしていません。
私独自の理論ですが、外国債券は為替の影響を受けるため、リスクが高く、リスクヘッジに使えないと考えているからです。

「超簡単 お金の運用術 山崎 元」の本でも外国債券の投資はすすめていません。
プロの言うことを聞いて、投資をしなくて良いでしょう。

まとめ

国内株式
ブラックロック・ジャパン iシェアーズ・コア TOPIX ETF
国内債券
iシェアーズ・コア 日本国債 ETF
外国株式
MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信
外国債券
NEXT FUNDS 外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信

以上をおすすめします。
ETFは購入時に株価と同じ手数料が発生するので、買う場合はある程度まとめた単位で購入することをおすすめします。
それができない場合は非上場の投資信託を選択するのも手でしょう。

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