住宅の購入予算の決め方を3つ紹介

公開日 2024年1月7日
coin

家を購入する上で、初めに家の購入予算を決めないといけません。
予算が決めずに住宅展示場やハウスメーカーに行くと、「キッチンが広い方がいいなぁ」「家にピッタリの造作家具が欲しい」となり、簡単に高額な家になります。
住宅展示場の家は本当に素晴らしく物欲を掻き立てられます。

結果として、無理して家を買ったり、落胆してグレードを下げた家を買うことになります。
特に前者の場合、ローン期間(一般的に35年)の間、苦しみ続けます。

そうならないために、まずは予算を自分でしっかり考えて決めましょう。
ハウスメーカーや銀行で相談する手もありますが、ハウスメーカーは高く家を売ること、銀行は高いローンを組んでもらうことが利益になるので、期待しない方が身のためです。

ここでは住宅の購入予算の決め方を簡単にできる順番で3つ紹介します。
簡単にできる=精度が低いので、時間があるのなら一番最後の方法をおすすめします。

年収ベースで考える

お金

よくある考え方は今の年収から予算を決める方法です。
年収の6~8倍*1ぐらいを家の予算にするといいと言われています。

*1 一条のライフスタイルマガジン iikoto(いいコト) 「私の年収だと、家の予算はいくらくらい?」(https://www.ichijo.co.jp/iikoto/budget_income/)

例えば、年収500万円なら、予算は3000万~4000万円になります。

これは、手っ取り早く予算のあたりをつける分には有効です。
私も、前回買った家は結果的に年収の6~8倍に入っていましたので、実体験からも当てになると思います。

しかし、お金の使い方は人それぞれで、家にお金をかけたい人や食べ物、ファッション、趣味、教育など様々であるため、あくまで目安です。
また、年収が平均に対して大幅に高い人や低い人も当てはまりません。

本気で家を買うつもりなら、より精度の高い下記2つの方法で決めましょう。
ちなみに、予算3500万円だけだと現実味が足りないので、必ず月々のローン返済額を算出しましょう。

下記は借入金、金利、貸付期間から月々のローン返済額を算出できます。

借入金から月返済額の算出
  • 借入金(予算)
  • 万円
  • 金利
  • %
  • 貸付期間
  • 月返済額
  • 0
実際に借りる日や返済が始まる日の差異で実際の数値とは少し異なります

今の家賃ベースで考える

分析

大体の方は、現在家賃を払って生活しているので、ローンの月々の返済額が家賃と同じぐらいなら当然払えるでしょう。
この家賃をベースに予算を決めれば、無理なく払える予算が分かると思います。

そこから、後月々いくらまで出せるかを家計簿を見ながら検討しましょう。
私がローンを組んだ時は、6.5万円の家賃の所に住んでおり、ローンは月額9万円になりそうだったので、夫婦お互いのお小遣いを1万ずつ減らすことで予算を確保しました。

月返済額から借入金算出
  • 月返済額
  • 万円
  • 金利
  • %
  • 貸付期間
  • 借入金(予算)
  • 0万円
実際に借りる日や返済が始まる日の差異で実際の数値とは少し異なります

頭金やボーナス払いなどは考慮していないため、当然予算額はかなり少なく出ます。
ただ、まずはボーナス払いや頭金は0で考えることをおすすめします。

頭金を出しすぎて、何かお金が必要になったときに口座にお金がなければ大変です。
ボーナス払いも、勤め先が不景気でボーナスが出せないとなった時、大変になりますのでおすすめしません。

勿論、ローンをより少なく、早く返した方が金利分支払いが少なくなるので、頭金やボーナス払いに頼りたくなりますが、金利が低いので借りられるなら借りておき、資産運用に回した方が効率的と思います。
それでも少しでも早くローンを減らしたいなら、口座内のお金が十分にゆとりが出来た時に、繰上げ返済をする方がいいです。

ただ、この方法も欠陥があります。それは将来のことを考えていない点です。
子供がいれば養育費や学費がどんどん増えていくので出費が増えます。また、逆に会社での昇給や自営業なら事業の成功による年収UPなども考えていません。

よって、将来のことも織り込んで予算を考えたい場合は、最後に説明する将来の家計をシミュレーションをおすすめします。

将来の家計をシミュレーションして考える

予測

未来のことも考えた、より詳細に検討が出来る将来の家計をシミュレーションして予算を決める方法が最もおすすめです。
独身であれば生活費は大きく変わらない、予想もつきやすいですが、結婚していたり、特に子供がいれば教育費で支出が増えます。

シミュレーションを使えば、私立中学に入れたいとか大学院まで行かせたいなど、今現時点での要望もシミュレーションに織り込めます。

そうすることで、確実にローンが無理なく返せるかが見えてくると思います。
子供の教育に関しては早めにパートナーと話しておいた方がいいので、そういった意味でもシミュレーションをやる価値があると思います。

私は、ハウスメーカーの推薦でファイナンシャルプランナーによるシミュレーションを行いました。
なんだかんだで、3時間とか話したと思います。時間がかかる点がこの方法のデメリットです。

そのファイナンシャルプランナーは、ハウスメーカーとの利害関係が無いのか、割と厳しい結果が出ました。
そこのハウスメーカーは注文住宅であるため、家が高くてシミュレーション結果では苦しい生活を強いられることになりそうだったので、諦めることになりました。

ファイナンシャルプランナーに頼まなくてもネットで「家計、シミュレーション」で検索すれば、いくらか出てきます。
私は下記をおすすめします。

自分で描く未来予想図 ライフプランシミュレーション(https://www.zenginkyo.or.jp/special/lps/)

私の方で適当に数字を入れてみましたが、大赤字でした。
家の予算云々よりも、もっと稼がないといけないと改めて思いました。

番外~ハウスメーカーや銀行には頼らない~

非推奨

冒頭でも触れましたが、住宅の購入予算設定をハウスメーカーや銀行に頼ることはあまりおすすめしません。

当然の事ですが、ハウスメーカーは価格の高い家を購入してもらうことが利益になります。
極端な事を言えば、ローンを最大限に増やして値段の高い最高級の家を売りつけたいのです。

銀行も当然ながら、利益を増やすためにローンが高くなることは賛成します。
ハウスメーカーと異なる点は、ローンを返せなくなることを懸念してある程度現実的な上限を決めてくれます。

ただ、住宅ローンは資産価値が確保できる家や土地を担保にするため、破産しても取り返しやすい故に高額なローンが組めたりします。
銀行が貸してくれるからといって、安心して借りてはいけません。

勿論、大概のハウスメーカーや銀行は、お客様目線で高額なローンを無理に組ませたりしないと思いますが、利益相反になる故に気を付けるに越したことは無いです。

まとめ

以上、3つの方法を紹介しましたが、おすすめは将来の事も考えて決める家計のシミュレーションです。
家を買うことだけでなく、将来のライフ設計に役立ちます。
無理なく生活ができて、満足度の高い家を購入できればと思います。