住宅ローンを組むなら頭金は少なめに

公開日 2024年4月30日
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住宅を購入する際、ほとんどの方が住宅ローンを組むと思います。その時、金利(変動金利や固定金利)、ローン年数、そして借入額や頭金をどうするか考えることでしょう。
ここでは頭金について言及します。出来る限り頭金は少なくなるようにローンを組むことをおすすめします。

一般的にはローンや借金は少ない方が利息を払わなくていいので、おかしいと思われるでしょう。
そこで住宅ローンの頭金を少なくする方が良いと考える理由を2つ紹介します。

頭金の分を投資に回す方が利率が高い可能性あり

グラフ

頭金を多く出す理由はローンの借入額を少なくしてローンの利息をなるべく減らしたいからだと思います。
ローンの金利は固定金利と変動金利があり、固定金利で、1.2%~変動金利で0.3%~で数値としては小さいですが、ローンの年数が長い分利息も多いです。

例えば固定金利1.5%で3000万円と2500万円の35年ローンを組んだ時の支払額を比較しましょう。

借入額3000万円2500万円
金利1.5%1.5%
年数35年35年
総支払額3858万円3215万円
金利支払額858万円715万円
差額は143万円

支払額の差額は143万円であり、この金額だけ見ると頭金は多く出したくなるでしょう。
ただ、その頭金を全額投資したとするとどうなるでしょう。先ほどの例だと頭金が500万円なので、500万円の35年投資、利回りは3%としましょう。

金額頭金500万円投資500万円
利率1.5%3.0%
年数35年35年
差額143万円303万円

当たり前ですが投資の方が利率が高いため差額(利益)も多いですね。頭金の分を投資に回す方が利率が高い可能性あるので、頭金を少なくしたいと考える理由の一つです。
投資信託などある程度のリスクを負えば利率(年率)3%は達成できると思います。

この当たり前の事実を知った上で、投資は利回りが確定出ない(リスクがある)ので、頭金にして確実であるローン金利分で浮かせるのも手であります。
ただ、住宅ローンの金利(特に変動金利)は非常に低いので、頭金を沢山用意して利息を減らすメリットはかなり少ないです。

ちなみに住宅ローン金利より投資の利回りの方が高いのは、住宅ローンの金利が他のローンや借金と比較して低すぎるためです。
車ローンや消費者金融は2ケタですよね。これはもしローンが返せなくなっても住宅という資産で回収出来るので、銀行にとってリスクが低いためです。(車は価値減少が大きいため資産にならず)

よって、住宅ローンは低金利でお金を借りる数少ない手段であり、頭金は出来るだけ少なくしてその分投資などに利用するべきだと思います。

現金が必要な時に対応できる

お金の流動性

急に現金が必要になることがあると思います。事故によるケガや災害など何があるか分かりません。
そういったときに無理して頭金を支払って手元にお金が無いと困ることになります。

それこそ、そのために高金利な消費者金融でお金を借りてしまっては意味がありません。
よって、可能な限り現金は手元に残しておくべきだと思います。勿論、十分な現金を残した上でまだ頭金が出せるのなら問題ないです。

ちなみに上で説明した頭金を投資に回した場合、多少の損をするかもしれませんが大概は現金に戻すことが可能ですので、手元にお金を戻せます。
投資信託や株(上場しているもの)やFXはすぐに現金化可能ですし、不動産もよほど悪いもので無ければ、価格を下げれば売りさばけるでしょう。

一方、当たり前ですが、頭金にした場合は2度と戻ってきません。
よって、頭金を払って手元のお金を減らすことはリスクが高いです。

まとめ

ローンを組む場合、頭金を出来る限り少なくする理由を2つ紹介しました。
頭金を沢山用意してローンの借入額や利息を減らすことが正しいと盲信しないようにしましょう。
ただ、これらを踏まえても頭金を多く出してローンの利息を減らす方が大事と思うのであれば、頭金を多く出しても良いと思います。
人によって状況や考え方が異なるので、色々なリスクを考えたうえで判断しましょう。