保険選びの問題点 保険を選ぶ前に本当に必要なのか考えられていない?

公開日 2017年9月10日
更新日 2018年3月16日
保険イメージ

保険は人生で2番目に大きな買い物と言われるほど高い買い物です。
しかし、保険は何十年も先のことを見据えて賢い選択をする必要があり、あ~あ、失敗したでは済まされません。

そこで、保険選びを検討するのですが、ちょっと待ってください。その前に大切なことがあります。
それは本当に保険が必要か吟味することです。しかし、現実はそれが出来ていません。これを保険選びの問題点として考えてみましょう。

そもそも保険て何?

保険とは、偶然発生した事故による財産上の損失に備えるため、皆がお金(保険料)を出し合い、その資金によって事故が発生した者にお金(保険金)を給付する制度です。要は皆で助け合う制度です。

助け合うと言えば聞こえはいいですが、現状としては保険会社と契約を結び、「お金は毎月払うから、こういう時は援助してね」と約束をしているだけです。
基本的に保険会社とのやり取りであるため、私は助け合うというより、安心をお金で買うといった方がしっくりきます。

よって、保険は投資商品では無く消費財です。安心を買っているだけですので、不必要に入る必要は無いですし、入らないと損をすることもありません。
「保険に入っていればお金が貰えたのに…」と思うことはあるかもしれませんが、その確率は低いでしょう。

保険の知識は無いが必要と考える方が多い

保険の意識

上の円グラフは(公財)生命保険文化センター「平成28年度 生活保障に関する調査」のデータです。
保険に関する知識の自己評価では72.8%が詳しくないと答えています。
謙虚である日本人は自分の知識を過小評価しているだけかもしれません。でも、実際の所は保険についてあまり考えたことが無いのが現状かと思います。

一方、私的な生活保障の準備に対する考え方は「生活を切りつめても私的準備必要」と考える方が64.9%と意識は高いです。
年金制度が破綻すると言われたり、国家予算が不足している等ニュースになっていれば確かにこういう考えになるでしょう。

つまり、保険の知識は無いが必要と考える方が多いということになります。
知識が無いのに保険を買おうとすれば、当然窓口で相談する流れになるので、保険が本当に必要かという議論はほぼ無いでしょう。

これでは、保険会社に行けば良いお客さんになること間違いなしですね。

保険の必要性を疑う

疑問

上記の通り、知識は無いが、保険は必要と考える方が多いので、何となくで入っているのだと思います。
この状態から脱却するためにはその保険が本当に必要かをよく吟味することが大切です。

しかし現実は、社会人になった時、結婚した時など人生の節目で、保険に入ることが当たり前のように考え、機械的に入っている方が多いのでしょう。
厄介なことに種類が多く検討も大変なので、考えることを止め、勧められた保険を何となく入ってしまいます。

勉強熱心な方でも自分に合った保険を…と保険の選び方から入ります。保険やさんや保険の窓口に相談に行き、アドバイスを受けて満足な保険を選んでいると思います。

しかし、これでは何のために保険に入るのか本当に必要かを考えられていない可能性があります。
保険屋さんに行くと保険を売ることが仕事なので、生活の不安を煽られ、どんどん保険内容の拡張をして膨大なお金を保険に費やすことになりかねません。

・・・と偉そうなこと言いながら、私は全然出来ていませんでした。恥ずかしいですが、失敗談としてちょっと紹介します。

保険の知識が無く、言われるがままに加入

説明を受ける人

社会人になり、会社関係に保険に入ることを勧められました。当時、保険のことなど何も知りませんでした。

もし死んだらお葬儀等に500万かかるからと500万の生命保険を勧められました。
社会人なりたての私に500万円の貯金などあるはずもなく、もし死んでしまった場合は親に迷惑をかけるなぁと思い入りました。

また、医療保険については入院すると1日平均2万円もかかっているから、5000円/日でもある方が良いと言われました。金額がが1500円そこらだったので、それで安心が買えるならまぁいいかと思って入りました。

この通り、本当に葬儀に500万円かかるか、本当に入院費1日2万円かかるのか、といったことを考えていません。
数字を見せらたので、簡単に納得してしまい、言われた通りに保険に入りました。
さらに保険会社も他と比較したりもせず、補償内容も調べずでした。保険の種類もよく知りません。調べることが面倒でした。

結婚を機に調べ直しすると、同じ保険が全労災と民間の保険が重複していたり(これは私が馬鹿なだけですが)、入院時に出る保険がいろんな所に付いていたり、そもそも保険の種類やいつ使えるかすらも把握していませんでした。
当然、これらの保険が本当に必要なのかも全く考えていませんでした。

勿論、騙されて悪い保険に入ったという訳ではありません。しかし、保険のことをよく考えると、現在は自動車保険、火災保険、個人賠償責任保険のみで良いと私は判断しました。
自分で調べないと自分に合った保険選び、保険の取捨選択は難しいですね。

買い方について保険と自動車で比較してみる

保険
目的 子供の送迎 不測の事態に備える
必要性 家から遠く、徒歩では無理 不安だから(不明確)
予算 300万円 払える額なら
希望 ミニバン(シエンタ) お任せ
オプション チャイルドシート 何でも

車を買うときのことを想像してみてください。
上の表は徒歩では遠く子供の送迎のために車の購入を考えるようになった例です。
懐事情から予算を決めたり、ネットで情報収集して欲しい車種の当たりをつけたりするでしょう。
そして店頭に行き、どういった車の使い方を想定しているのか、予算、気になる車種といったことを店員に伝え、購入を検討するでしょう。

もし、何も考えずにお店に行くと無駄に高い車を買ってしまいかねません。
例えば、「友達や親が来たとき、沢山人が乗れる方がいいですよね」「キャンプに行くなら荷物を沢山詰める大きさが必要ですね」「雪道を走るなら4WDにしましょう」・・・どんどん車が大きく高くなります。

子供の送迎メインなら、スライドドアがついている5人乗りの車で十分なはずです。用途が明確なら車種もある程度絞っているでしょう。(勝手にシエンタとしました)
そんな当たり前のことが保険では出来ているでしょうか。

保険で考えると、目的は不測の事態に備えることですが、どんな事態か明確にせず、ただただ必要と考えていませんか。
保険の予算もあまり考えないでしょう。掛け捨ての生命保険なら安い金額ですし。
そして、何より自分の明確な希望が無く店頭に行ってしまっていませんか。

私はこの状態でした。何も考えていませんでした。
車なんかより膨大な金額を払う可能性もあるのに、何も考えていないなんて本当はあり得ないですよね。
保険が本当に必要かを考えないことが保険選びの大問題だと思います。

つまり、アンケート結果からも分かる通り、保険のことを知らなさすぎるので、必要なのかどうかも判断できていない状態だということです。
保険の知識と共に、どういう人にどういう保険が必要なのかを記事にしていく予定です。

まとめ

保険の選び方を検討する前に、各保険の種類と保険に入る目的や必要性について考えることが大切です。
しかし、現実は知識が無く、保険会社に言われた通りに加入している人が多いです。それでは自分にとって無駄で高い保険を選ぶことになりかねないので、自分で勉強していきましょう。